第2回:購入編(安価なポルシェには訳がある?-II)
後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一
自宅から東京を対角線に横断し、都県境を越えて程無い幹線道路沿いにそのお店はありました。
その前にネット情報を頼りに訪ね、結果空振りだった、バブリィな構えのポルシェ専門店とは打って変わり、欧州車専門店ながら敷居の低そうな、フレンドリィな店構えに気安さが感じて取れ、まずは出だし好印象。小心者の庶民としては。
物腰の柔かい営業責任者さんが迎え出てくれました。前掲バブリィ店ではシルク地にプリントの薔薇シャツを羽織ったバブリィ君、いきなりタメぐちでしたからね「ヴッ...」と来ました、あのときは。
お目当ての個体に案内され、間を縫って進みながらそれら展示車両に気を留めると、生産国/メーカー/タイプてんでばらばらな品揃え。ワンメイクの専業店の持つ製品知識や整備のノウハウに期待持つのは難しそう、とまずはハラを括りました。自宅の近場で面倒を見てくれる店探さなくては。
事前に連絡入れといた事もあって、水洗いしておいてくれた様です968CS。大屋根の下の日陰に保管されていたので、今ひとつボディコンディション見極められませんでしたが、目立って残されたスリキズは見当たりません。あ、でもホィールは4本仲良くガリガリ。タイヤも山は残っているものの、亀裂がビキビキ...。
車検が切れているので仮ナンバーを取付け、さて営業氏がキーを捻るもエンジンは沈黙。「店員:バッテリーは上がってましたね。おーい。」整備の若い衆がジャンプ用のバッテリーを運んできてくれると始動自体は1発でした。嫌な振動もなく第一印象は悪くありません。あ、オルタネータベルト切れ掛かってますが...。
「店員:オルタベルトとバッテリーは納車整備で新品に交換させて貰いますよ」、「私:えっと、タイミングベルトなんかは?」「店員:まだ大丈夫だと思いますけどご希望であれば有償にて」...やはり、高くつきますからねあそこは。
「あれっ??」
洗車の拭き取りでウェスが引っかかったか、リアの“968CS”エンブレムの、“S”の字が半分に折れて破片がその下の地面に落ちてました...「私:まだ買うの決めた訳じゃありませんがこれ、拾って入れておいて貰えます?」「店員:ほんとだ。エンブレム新品取寄せて付替えますよ」気前いいぢゃん。
いよいよ試乗。左ハン、高速道路と施設の敷地内以外での運転は未体験なので運転はお任せして自分はあれこれチェックに回る事に。正しき購入前提の試乗の姿ではありませんね、これは。なにかと腰砕けな自分が素敵。
窓の上げ下げ、良し。ワイパー良し。エアコンも冷風出る、と...目視でチェックして。
ところで走り出してじきに気付いた、聴き慣れない音が後ろのドライブシャフトの辺りから。車速に連動する様に「びょ~ぅ、びょ~~ぅ」文字にするとまさしくこんな音。高層ビルの、吹抜けへと通じるドアを開けたとき耳にした事のある、あのおどろおどろし気なビル風にも似たうなり音がします。
「私:この音ってナンでしょうね」「店員:スポーツカーの駆動系ですからね、ゲトラグ製ミッションですからね、こんなもんでしょう」ギヤ歯ストレート・カットのレーシング・ミッションでも車載映像のビデオ観ててこんな音させてはいなかったと思うけどなぁ。
普通慎重な人は即決せず他にも何台もアシを使って第1候補の比較サンプル見て回るもの でありますが。在庫アリの報に触れた時点ですでに舞上がっていて、この慎重に欠ける人は「ご縁」の思い入れの呪縛に操られるまま、試乗より戻った店頭にて契約書にハンついてしまいました。
~つづく~
text by 岩館耕一 | 2006.04.14 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | トラックバック (0)
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