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オーナーズクラブ

2006年6月 9日 (金)

第10回:樹脂部品の弱さ

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Vol10 運転中、目の前のサンバイザーがいきなり下がってきました。クリップの咥えが甘かったのかと思い、手探りでクリップに戻そうとしましたが、空振り。指先で探るとフックが無くなってます。赤信号でその部分に目を遣ると、取付け台座とフックとが一体で成型されている、樹脂製のクリップ、フックの付け根部分から折れて脱落していました。

取り敢えずサンバイザーはサイド窓側に回し、足許に落ちていたフック部分の破片を拾い上げて帰宅。作業台の上で色々検証してみます。虫眼鏡で覗くと折れ目の周辺を中心に細かいクラックが無数に走っています。指でつまんで強く揉んだだけで粉々に砕けてしまいました。良く今までもっていたものです。

924から968に至る歴代のモデルが抱える持病のひとつに樹脂部品の弱さがあります。ダッシュボードの上面、デフロスターの吹出し穴周辺から表面に亀裂が生じる、いわゆる「ダッシュ割れ」はオーナーを悩ませていますがそれのみならず樹脂の弱さは全般に言える様です。ちょっと前のメルセデスのドア内張りも、窓ガラスとの際の処から表皮が萎縮して、その下の黄色いスポンジが露出しているのを見掛けます。高温多湿の日本の気候は欧州製の樹脂部品には厳しいのでしょうか。日本車は10年落ちの内装材でもこんな風になった事がありません。

埼玉にある欧州車専門の解体パーツ取扱い業者が雑誌に打っている広告の、ストックリストの中にポルシェ944があるのを目にとめ、場所を知っているという若い衆に付き合って貰い訪ねてみる事にしました。944はモデル途中から968と内装に共通なパーツが多いのです。

店に到着して作業中のスタッフさんに尋ねると、広告内容の更新が遅れ、944は部品取り車ごと既に無いとのこと。気を取り直して、ならばVWとかアウディとか、ポルシェとの繋がりを持つメーカーの車両に共通部品とか互換性のあるものが無いか訊ね直してみると、リフトアップしてある、側面の潰れたゴルフとか、置き場の奥の方に鏡餅積みにされている、その一番上の旧ジェッタなどによじ登って探してくれました。結局はいずれも取付け方法が異なる為流用不可と判明。お礼を述べて辞そうとしたらそのスタッフさん、振り向いて工場横に停められたBMW525iを指差し「あれのクリップも見てみますよ」と申し出て下さいました。

その525iは他の部品取り車の様なクラッシュの痕跡も無く、綺麗なボディでした。機関のブローとかで不動車になったものなのでしょうか。早速車内から取外して見せてくれました。取付けは968のものと同様にビス2本で固定する形状でしたが、ネジ穴間寸法が若干異なりました。片方のネジ留めただけでも問題無さそうだったのでわけて貰う事に。代金を訊ねると、いいですよ差上げますとの由。作業中の手を止め、高い所にまでよじ登ったりして戴いていたので恐縮至極でした。

戴いたクリップパーツはドナー車の室内色と共色のライトグレーで968の黒内装には不似合いでしたが、ご好意を無にしたくなかったのと、実用上なんら問題無かったので暫らくの間は使わせて貰ってました。

後日、軽トラックに側突されて廃車する事となった944ターボ、解体ミーティングに供するとのお誘いがあり、件のクリップ目当てでその末席に加えて貰う事にしました。所望の段、オーナー氏に申し出るとやっぱり砕けちゃいましたか、これも両方駄目になって事故の寸前新品に交換したばかりだったんですよ、とのご返答。ああ、何とも運がよろしい。以前紹介した、スペアのグローブボックスの蓋も、この折りゲットした物でした。

text by 岩館耕一 | 2006.06.09 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

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