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オーナーズクラブ

2006年6月30日 (金)

第13回(最終回):6輪生活の愉しみ

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

968hbtrim_1 最終回は番外編です。クルマ好きにあっては、同時に自転車も愛でる、という向きが少なからず見受けられます。わたくしの自転車趣味も運転免許を取得する遥か以前からのもので、 実は免許を取ってクルマを持つ様になったら是非とも実現させたかった、「悲願」とも申すべき夢を温めていました。

昔まだまだサイクリングがメジャーな趣味として認知されてはいなかった頃、赤坂の自転車振興会にて自転車ロードレースの世界最高峰、“ツール・ド・フランス”の記録映画上映会が催されました。そこで初めて目にする、プジョー504やシトロエンのブレーク、アルファロメオ・セイ等、ボディサイドへスポンサー名がハデに横書きされた各チームのサポートカーの、動く映像。それらのルーフキャリアへ、倒立させた状態で前後互い違いに積まれた数台のロードレーサーの、どハデなアピアランス、それは目に沁みました。あのアデ姿に憧れ、マイカー手に入れた日には必ずやアレをヤルぞ!と目論んでおりましたですよ。

時は流れて、くたびれた中古ながら初めてのマイカーのキーを手にする日も訪れ。愈々「アレをヤル」にあたり、ルーフキャリアはやっぱり“ツール”のサポートカーと「おソロ」だよな、と用品店を物色しておったのですが、そんな折り。クルマには目利きの知人が「このクルマ、一度ひっくり返って屋根潰しているね。」...なんてこったい!エアコンのブロア“強”にすると吹出し口から強化ガラスの破片が出てくるとは思っていたが...! (その時点で気付くぜ普通)ルーフ強度の不安により「夢」は一挙に「夢のまた夢」へと遠ざかりました。

そうこうしておるうちに、研修で地方の仮住まいと東京とを往復する生活になりまして。毎回の移動にはもう1台の愛車、イタリー製ロードレーサーもお供させる様になりました。屋根積みは諦めたのでホィールを抜いて後部座席に収めての積載でしたが、これが誠に具合好い収まりよう。幾らカッコいいアピアランスでも運転している自分にゃ見えないや、とここでもアウフヘーベン。そうなると“愛車”を駐車中の盗難や雨天走行、高速道長時間走行による汚れからプロテクトするのにはコッチの方がいいや、となってきます。若き日の、ヒリつく様なあの憧れどこへやら。

その後、代が替わるごとに、マイカー車内への積載方法工夫しながら按配良く車載してきたのですが。先代車に限り、ロードレーサーはバラバラに分解しても積込み様が無いほど積載スペースがありません。トランクに至ってはホィール1本収まりませんでした。前後方向の寸法がホィール径を下回っています。そのクルマ導入にあたっては、それまでとは使い方の優先順位を変えたので、それも承服の上での事ではありましたが。

それでもやはり、クルマで出掛けた先にてアシを自転車に代えて動き回りたい機会は少なからずあります。普段乗りの、車輪径14インチの折畳みミニサイクル、トランク収納試みましたが僅差で入りきらない。ここで久しく封印していた“趣味自転車すきすきモード”再起動して、折り畳み姿が超コンパクトになる次号機サーチを開始しました。結果。

ピンポイントでヒットしたのが写真の、これ。HANDYBIKE:独 IKO社がデザインしてTAIWAN製造、本邦ではブリジストンサイクルが独占販売してました。購入検討の時点では既にモデルチェンジしており、在庫整理だったのか、オプションのキャリーバッグ付で定価の半額ほどだったのが衝動買いを後押ししました。

アルミフレームで軽量、折り畳みには工具不要で1分と掛かりません。通常この手の「色物サイクル」に見受けられる、細部の仕上げのアバウトさ が無く、可動部のジョイント、精密な折り畳み機構など、ことのほか手の掛かった各部の造形がウルサガタをも納得させるフィニッシュ。タイヤは6インチで、ゴム無垢ではなく、ちゃんと空気入り。専用に無垢アルミから削り出されたハブ一体のホィールが白眉です。鉄製のフロントフォークだけがアンバランスにチープかな。

で。乗ってみました。諸兄のご賢察にたがわず、歩くよりは僅かに速く、歩くより遥かに疲れます。モデルチェンジではブリジストンがこれを元に車輪を8インチへインチアップした上、各部の見直しがなされた自社製造品にスイッチした様ですが、ここでその理由が判った次第。HANDYBIKE 6インチ、「使えねぇ自転車」でしたが、面白いから、許す。

その後購入金額を上回る資金を投入して改造施し、幾らか乗りアジ民主的になりました。

不思議な事にこれ導入後、一度も車載してみる事無く車両を968へ入れ替えてしまいます。なんだかこんなのばっかしね。後日、知人の乗る先代同型車で初めてトランク収納試させて貰いました。笑うほど楽勝。あの、何も入らなかったトランクに。改めて、これがこの自転車の存在価値の総てに思われました。実存主義哲学的ではあります。

再三ご案内してきました通り、968のラッゲージスペースは十分以上のもの。ロードレーサーもホィール抜いただけで楽勝です。HANDYBIKEになると畳まずにも収まってしまいます。梅雨が明けたらまた、うつけた6輪生活に明け暮れたいですね。ご通読感謝します。佳きカーライフを。

text by 岩館耕一 | 2006.06.30 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月23日 (金)

第12回:たまにはドライブの事でも話そうか

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

当連載も大詰めを迎えましたが、納車前後のいきさつから修理/部品交換の話題ばかりでスポーツカーの本懐、走行に纏わるお話は出てきませんでした。今回はその辺を。

水冷4発FRポルシェで集まって富士スピードウェイの本コースを走ろうじゃないか、とお誘いを受けたのが去年の夏の終わりでした。本コースを走ると言っても走行会とかではありません、ペースカーの先導にて1列縦隊で1周4.5kmの本コースを2周する、「体験走行」という、同サーキットの常設企画です。ヘルメット着用不要。

通常は不特定の参加車で混走になるらしいのですが、この催しを企画してくれた主催者が30台、と参加台数を決めて予約しておいてくれたので、ポルシェだけでひと枠設けて貰えました。水冷直4の“924”“944”“968”に加え、水冷V8の“928”、空冷ボクサー6の“911”も併せての参加です。

サーキット体験走行というと、過去につくばの2000と、この富士の本コースにてノーヘル、定員乗車OKでコースを周回する「ファミリー走行」をスタンドから見物した事がありますが、その時目にしたのは大勢連なって40km/h位、呑気な遊覧走行でした。今回もあの、スタンドで見物している方が照れ臭くなる様な、のどかな走行に終始するものと思い、走り出したら「3速入れっぱ」にて、左手ハンドル、右手でムービーモードにしたデジカメ構えてとろ~っと2周する積りでおったのでありましたが。

いざ走り出すといきなり先行車との間隔がえらい開きようです。デジカメ助手席に放り出して2速シフトダウン。完全なお気楽モードでいたので心の準備が全くできていません。コースの印象がどう、車の挙動がどうと把握する状態にないまま周回を終えてしまう「おぽんち」でした。ご馳走を、味わう余裕も無くあわてて掻き込んだ後の様。

あとで聞いた話によると、ペースカーが、車が車なので、と「特別サービス」してくれたらしいです。今回も出ると負けでした。これでは「ポルシェの本懐、走りの話」ができてないではないかっ!

コースを退場してから場内大パーキングに場所を移し、参加者同士で自己紹介とか始まったのですが、入れ替わりコースインしたGT選手権の出走車の練習走行だかが始まって、これがすんごい轟音。誰が何喋ってるんだか判りゃしない。

この後パドック見学のスケジュールだったのですが、わたくしは都合で中座、独り帰路に就きます。帰り道は高速を使わず、山中湖を回り“道志みち”のワインディングにてささやかに先般のストレス発散。道志みち、週末だというのに遅い先行車に阻まれる事もなく好いペース維持でき、気分宜しい。

先代車はライトウェイトのFRで素性のいい車だったのですが、自分でヘンにいじくり過ぎてしまったせいかバランスの崩れを起こし、危なっかしいハンドリングが自分の様なへたれには押え付けきれませんでした。自分とは親子ほども歳の離れた若い「足回りの先生」がいて、致命的な欠陥を指摘して貰ったお陰で著しい改善を施し、ウェルバランスを得るまでに仕上げましたのですが。その直後、現968へと入れ替える事になります。

この968はオーバー10年落ちながら高水準でバランスしたノーマルの良さがまだ残されており、オン・ザ・レールを地で行く素直なハンドリングに、俄かに腕が上がったのではあるまいか、と一瞬勘違いクンになりそう。

気が大きくなり始めた処で、路面には真っ直ぐ伸びてコーナー外側の谷底へ消える2本のブラックマーク。このドライバー君にもなにか勘違いがあったんだろうか。鶴亀鶴亀。Vol12

text by 岩館耕一 | 2006.06.23 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月16日 (金)

第11回:ドライバーとのインターフェース

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Vol11_500

今回は、ステアリングのお話...

968にはエアバッグ内蔵のステアリングが標準ですが、CSはその成り立ちの性格上、慣性重量で勝るエアバッグレスのスポーツステアリングが純正で装着されています。アティべ製と思われるそれは、メーカー製ロードカーの純正品とは思えぬほどグリップ径が太く、アフター品としては極太な範疇のイタルボランテ・旧フォーメルを更に凌ぐ太さです。外して並べ、比較写真を撮りました。

ポルシェの軽量仕様モデルには決って純正装着され、大変高価なレプリカ品が出回るほど人気の高い絶版ステアリングですが、今回は手持ちのお気に入りと交換を試みました。MOMOザガートデザイン、アルファロメオの限定生産車、ES30“SZ”純正のステアリングです。クリーンでプリミティブな佇まいが着ける車を選びません。これも稀少品で、新品の状態にて入手叶ったのはラッキーでした。

純正のアティべは専用ボスに取り付いており、別途に車種別ボスが必要でしたが、これも解体車が出た折り譲って貰ってあります。ホーンボタンが欠品だったのでクレスト(ポルシェのエンブレムの事を、同車乗りは特にこう呼ぶのだそうです)付のボタンを、用品店などを回って探しましたが、見つかりません。訊くと、今では車種別のマークのボタンはボスに付属させてあり、単品では出荷していないらしいのです。MOMOザガートに付属していたアルファのボタンでは、ちょっとね...。

国道沿いにMOMOハンドルの専門店、という不思議なお店があって、1個限りのクレストボタン展示品を頒けて貰う事ができました。

お次はシフトノブ。シフト周りをバラすと他ではあまり見ない造りになってました。良く見かけるものはシフトロッドが丸い断面形状で先端にネジが切ってあり、差込み穴に雌ネジが切られたシフトノブを捻じ込む様になってますが、968ではシフトロッドは厚みのある板状で、シフトノブを真っ直ぐ差込み、抜け防止のピンで押える構造になっています。

シフトブーツも珍しい造りです。ブーツの革がそのまま立ち上がってシフトノブまでを一体でくるみ込んでいます。車齢を重ねている車なので、この革の、シフトノブトップの部分が大抵擦り切れて穴が開いています。うちの968も銀面がボロボロにささくれ立っていました。期待したドナー車も、それ以上にぼろぼろ。

デフをオーバーホールして貰ったお店に、これのUSメイドレプリカ品がありました。展示見本以外は欠品入荷待ちとの事で入荷を待って購入。国産車用社外品の2、3倍の値段ですが純正品取寄せると、5万円くらいするんだとか。いやはや。交換は自分で。まあまあ綺麗に仕上がりました。

取外したステアリングは擦れなどが見当たらず好い状態なのですが、先代までのオーナーの汗と手垢をたっぷり吸って、てかてかしてます。旧車レストア関連書籍の記事で、その方面では有名になった天然成分の汎用洗剤を用いて丸洗いすることにしました。洗い出してみると、シート張り地の時と同様の汚れ具合です。

洗い上がるとテカりが落ちて艶が落着き、さっぱりしました。洗う前は黒いエナメル引きの紐に見えていた、円周の内側に丁寧に施された太い番手のステッチ。汚れが落ちると綾に編まれた白っぽい糸だった事が判明いたしました

text by 岩館耕一 | 2006.06.16 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月 9日 (金)

第10回:樹脂部品の弱さ

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Vol10 運転中、目の前のサンバイザーがいきなり下がってきました。クリップの咥えが甘かったのかと思い、手探りでクリップに戻そうとしましたが、空振り。指先で探るとフックが無くなってます。赤信号でその部分に目を遣ると、取付け台座とフックとが一体で成型されている、樹脂製のクリップ、フックの付け根部分から折れて脱落していました。

取り敢えずサンバイザーはサイド窓側に回し、足許に落ちていたフック部分の破片を拾い上げて帰宅。作業台の上で色々検証してみます。虫眼鏡で覗くと折れ目の周辺を中心に細かいクラックが無数に走っています。指でつまんで強く揉んだだけで粉々に砕けてしまいました。良く今までもっていたものです。

924から968に至る歴代のモデルが抱える持病のひとつに樹脂部品の弱さがあります。ダッシュボードの上面、デフロスターの吹出し穴周辺から表面に亀裂が生じる、いわゆる「ダッシュ割れ」はオーナーを悩ませていますがそれのみならず樹脂の弱さは全般に言える様です。ちょっと前のメルセデスのドア内張りも、窓ガラスとの際の処から表皮が萎縮して、その下の黄色いスポンジが露出しているのを見掛けます。高温多湿の日本の気候は欧州製の樹脂部品には厳しいのでしょうか。日本車は10年落ちの内装材でもこんな風になった事がありません。

埼玉にある欧州車専門の解体パーツ取扱い業者が雑誌に打っている広告の、ストックリストの中にポルシェ944があるのを目にとめ、場所を知っているという若い衆に付き合って貰い訪ねてみる事にしました。944はモデル途中から968と内装に共通なパーツが多いのです。

店に到着して作業中のスタッフさんに尋ねると、広告内容の更新が遅れ、944は部品取り車ごと既に無いとのこと。気を取り直して、ならばVWとかアウディとか、ポルシェとの繋がりを持つメーカーの車両に共通部品とか互換性のあるものが無いか訊ね直してみると、リフトアップしてある、側面の潰れたゴルフとか、置き場の奥の方に鏡餅積みにされている、その一番上の旧ジェッタなどによじ登って探してくれました。結局はいずれも取付け方法が異なる為流用不可と判明。お礼を述べて辞そうとしたらそのスタッフさん、振り向いて工場横に停められたBMW525iを指差し「あれのクリップも見てみますよ」と申し出て下さいました。

その525iは他の部品取り車の様なクラッシュの痕跡も無く、綺麗なボディでした。機関のブローとかで不動車になったものなのでしょうか。早速車内から取外して見せてくれました。取付けは968のものと同様にビス2本で固定する形状でしたが、ネジ穴間寸法が若干異なりました。片方のネジ留めただけでも問題無さそうだったのでわけて貰う事に。代金を訊ねると、いいですよ差上げますとの由。作業中の手を止め、高い所にまでよじ登ったりして戴いていたので恐縮至極でした。

戴いたクリップパーツはドナー車の室内色と共色のライトグレーで968の黒内装には不似合いでしたが、ご好意を無にしたくなかったのと、実用上なんら問題無かったので暫らくの間は使わせて貰ってました。

後日、軽トラックに側突されて廃車する事となった944ターボ、解体ミーティングに供するとのお誘いがあり、件のクリップ目当てでその末席に加えて貰う事にしました。所望の段、オーナー氏に申し出るとやっぱり砕けちゃいましたか、これも両方駄目になって事故の寸前新品に交換したばかりだったんですよ、とのご返答。ああ、何とも運がよろしい。以前紹介した、スペアのグローブボックスの蓋も、この折りゲットした物でした。

text by 岩館耕一 | 2006.06.09 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年6月 2日 (金)

第9回:シート表皮交換

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Seats 968CSのバケットシートの表皮生地は、ざっくりと編まれたファブリックです。風合いの大変よろしい素材なのですが、長年の汚れを手入れされた形跡も無く、タバコによる焼け焦げの修復跡が散見されます。

タイヤ代捻出の為、2脚放出したバケットシートの「コレクション」、残しておいたのは偶々手に入った、ポルシェ純正ツートンのレザー張りです。この張り地を968のシートシェルへ移し替える事にしました。シェルの大きさは共に相似形ですが、ポルシェ純正のシートシェルは車体色と共色に塗られています。もともと装着されていた車両はソリッドの黄色だったらしく、シェルも真っ黄色。シェルごと「素どっかえ」をせずに張り替えた理由です。

968のシートをスライドレールから外し車内より引き出して張り地を交換。作業自体は結構手間なものの、無事張替えを終えました。

外したファブリックのシート地は洗濯する事に。12年、76000キロの汚れは半端無く、3度洗いしても尚洗剤液が墨汁の様に黒くなりました。5度洗いしてようやっとさっぱりした感じです。以前国産のシート地を外して洗濯した折りには、僅か一度洗いだったのですが、著しく縮んだ上生地がよじれてシートへ戻せなくなった体験をしました。ポルシェ生地は5度洗いしても生地自体の痛みは全く見られませんでした。さすがです。

洗ったシート地は乾いた処で素のシェルに張り戻し、キャスターを着けてお座敷バケットに供する事にしました。シートを社外のものに交換した際には毎度純正シートに施している恒例作業です。黄色いバックシェルは安普請な昭和建築の我が居室にあっては浮いてしまう為、後にウレタンスプレーで黒く塗り直しました。その折り座面の高さとトルソ角も見直し、只今来客用の腰掛けとして活用してます。

text by 岩館耕一 | 2006.06.02 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)

2006年5月26日 (金)

第8回:タイヤ交換等「サルカニ合戦、どちらがサルか!?」

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

500 今回はタイヤ交換の話など。山は残っているものの、経時劣化甚だしかったタイヤの交換も当初からの懸案でした。車両購入、トランスアクスルのオーバーホールと大きな出費が続き、軍資金も心許なかったので、まずは「軍費」の調達をば。

968CSには2脚、樹脂シェル構造のフルバケットシートが標準で装着されていますが、我が家には他にも2対4脚のフルバケットシートの「在庫」あり、レカロジャパン限定モデル2脚を放出する事にしました。これは苦い大赤字の「物件」でありました。

某所の買取り店へ売却に行く為、ラッゲージスペースにシートをうつ伏せにして、座面の底が前方に来る様に2脚横並びに据えました。968はリアの床下に大きな嵩のトランスアクスルが納まっているため荷室の底がとても浅いのですが、今回の積載物で運転中、ケられるものとばかり予想していたルームミラーの視界が殆どさえぎられる事はありませんでした。存外だった、このクーペの実用性の高さには改めて驚かされた次第です。

付合ってくれた知人を伴なって買取り店へと到着。買取り査定には、レザーのソリッドな風合いを大切にする為、涙ぐましい扱いと、ケアに手を掛けてきたシート、程度には自信がありましたが、提示された金額は購入金額の5分の1ほど。落胆...レカロシートを専門に扱っておられる業者さんを選んで持ち込んだので『車検非対応の製品なので売りにくい。こちらにとってもリスクが高い商品である。それでもうち程高値で引取る所は他に無い筈』との弁解、後半はあながち出まかせでもないと思われます。

閑話休題。昔もうひとつの道楽である、機械式腕時計を2本売却した折り、別々の店でその新品同様の程度を異口同音に誉めながらも、買取り金額は共に新品の3分の1でした。業者相手だとこの辺が相場みたいですご参考までに。今はネットオークションとか盛んなので時の運を得れば更なる高値も望める事でしょう。

涙を呑んで受け取ったシート代金を懐に、その脚で自宅からほど近くまで戻ってきた所にあるタイヤ安売り店へ直行。周囲でも愛用者の多いヨコハマの“ネオバ”はグリップ宜しい分、減りが早いのでケチって減り方も穏やかな上プライスも若干穏やかな、同メーカーの“Sドライブ”をチョイス。サイズはフロント225/45R17、リア255/40R17、純正サイズですぶっといですねー。指定空気圧2.5キロ。タイヤ入替えバランス込みでシート売却代金から若干アシ出ました。売却行の燃料代を考え合わせると更にへこんでます。

店を後に走り出すとさすがにコンフォート寄りのタイヤ、さっきまで履いていた、がびがびタイヤとは雲泥の差です。静かで滑らか。

後日シート売却したお店のHPを開くと、件のSP-Gレザー在庫案内が更新されてました。「ハイリスクな商品」にしては強気な値付けです。程無くSOLD。これが人生。

text by 岩館耕一 | 2006.05.26 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月19日 (金)

第7回:ゲトラグ社製トランスアクスルに潜む罠

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Vol06_2 それが判ったのは車を見に行って契約書に印をつき、その脚で帰宅した夜の事でした。

納車前に968の事を色々知って置こうと思い、関連ホームページを検索。幾つかの、個人
オーナーさんやメンテナンスショップのサイトに行き当たりました。早速、試乗した折り気になっていた、後車軸あたりからのビル風の様な音に就いて、トランスミッションのメカニズムの項やQ&A、他にも関連書物に目を通すと。

あちこちで恐ろしい事が書かれています。FRレイアウトのポルシェ車は変速装置を、通常は一体になっているエンジンから切り離し、後輪のデファレンシャルと一体にしたトランスアクスル方式を執っています。FR車の中でも水冷4気筒のマニュアルミッションモデルでは初代924、セカンドエイジの944ではアウディ製4速/5速ミッション(924のごく一部にポルシェ内製ミッション)が採用されていましたが、最終型となった968では独ゲトラグ社製6速仕様のものが組込まれています。

これがネックで、ゲトラグ社にて組立てられる際、デフのピニオンベアリングを組み付けるプリロード(固定位置出しの為の事前負荷)に調整ムラが有るとの由。適正なプリロードで組み上がっていなかった個体はガタや過剰負荷で最悪、走行中にドライブシャフトが焼き付き固着、後輪がロックする危険アリ!水冷4発の中でも比較的高い頻度で発症する、968特有の持病、とあります。あの音は危険信号、オーバーホール代高いよ、と素敵なダメ押しで締め括られてました。

こんな車選ぼうって人はこの位の事前情報、現車見に行く前に調べ済みなもんです普通は。

家からそう遠くはない場所にFRポルシェも得意としている(リアエンジン車専門工場が
多い)メンテナンス工場を見つけ出す事ができ、納車後あまり走り回らないうちに見て
貰う事にしました。

国道を逸れ少し入った牧歌的な風景の中にたたずむ、そのファクトリーへ到着して早速に試乗検分。「ピニオンベアリング、終わってますね。」このひと言にてトランスアクスルオーバーホール決定!パーツ国内在庫が無く、本国へ発注掛けて貰い、また数週間、なるべく遠出を避け日々恐る恐る運転しながらその到着を待ちます。

待ちくたびれた頃到着の報がもたらされ、早速入庫です。作業自体は中1日で上げて貰えました。オーバーホール完了の連絡を貰い、引取りに赴くと交換して取外されたテーパーローラーベアリングを見せてくれました。「カジリ」と云われる処の、ローラー表面が多孔質の、まるで軽石か珊瑚みたいになってます。ベアリングがこんなひどい状態になっているのを目にしたのは、グリス切れのまま17年無造作に乗られた雨ざらし自転車のペダルをバラシた時以来です。もっともこちらの場合、砕けて粉末になってる玉もありました。
更にもうひとつナイスな物も見せて貰いました。請求書の紙面に踊る、格安だった車両購入価格の、高いパーセンテージに及ぶ数字!

text by 岩館耕一 | 2006.05.19 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | トラックバック (0)

2006年5月12日 (金)

第6回:エクステリアのコンディション

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Vol06 最初に向った場所はガソリンスタンド。これから働いて貰うにはまず腹ごしらえさせてあげないとね。「処女航海」と大仰な前振りの割にはすぐ近場です。駐車場を出、まずは2度続けてウィンカーの筈がワイパーカラ拭き。まだ暫らくやりそうです。

あとつい、センターラインへ寄ってしまいますね、バイブレーション処理のラインに乗ってブブブブブブって言わせてしまいます。対向車怖かった事でしょう。後日若い衆にハンドルを託したら、同じ様にセンターラインオーバー気味になってました。初めての左ハンドルってこういうモンみたいですね。右側の助手席にて対向車のドライバー氏と
真っ向からお見合いになったのは、得難い恐怖体験ではありました。

無事スタンド到着。出来始めの頃からセルフのスタンドもっぱら愛用してます。
フュエルリッドのオープナーは無く、指を掛けて開けるとキーで開けるキャップが付いています。開錠にはコツ要。

とにかく大メシ喰らい。燃費悪い上タンクが大きいのでメーター指針Eの下からでは底無しに飲み込まれて行きますハイオクガソリン。過去に給油するのを見ていたドイツ車もそうでしたが、満タン近くなってからはちょっとずつしか注入出来ない上、もうこれ以上入らない!と言う処が見極められた事がありません。こういうもんなのでしょう。

満タンのタンクに反比例して軽くなった財布を懐にスタンドを後にして、そのまま帰宅。普通なら納車→給油と来たら後はそのままタンク空になるまで表題の通り長い「船出」を目指すのが予定調和的なマイカーライフでしょうが。大人しく帰宅の理由はこの次の機会に改めて。

暫らく2台並べた奥に押し込められていた為、納車以来きちんと把握できていなかった、ボディコンディション、ヒキをもって眺められる様になったら、アラが良く見える様になりました。店頭表示で「修復歴無し」とされていたのは大きな事故は起こしていない、という事なのでしょう。(今は修復歴の虚偽、距離計戻しとかやるとその後の商売やり辛い事になる位、法の整備進んでいるそうです。と信じたい)この個体、車体全域に亘って塗り直されています。

ボンネットと屋根まで塗り直されているのは多分雹害にでも見舞われたのでしょうか。車齢13年の間には色々あった事でしょう。ドア、リアフェンダーには細かいヘコミをマメに直した跡が無数に見られます。新車価格に見合わない、安手のパテ埋め再塗装がなされているのが素人目にも判別できました。

こういう事は店頭に展示されていた時点で気付きたいものであります。       

パテの境の上から吹かれた塗料の段差を#2000番のペーパーで研いで、コンパウンドで磨くと一旦は目立たなくなったのですが。じきに磨き肌が落着くとまた段差が浮き出してまいりまいた。まあ、惜し気がなくていいか、とアウフヘーベンできる、達観した人格目指して折り合います。

あと、見るからに酷かったのがルーフアンテナ。付け根付近の、フレキシブルなコイル構造を覆うラバー皮膜が亀裂だらけで、一部砕けて剥落している処も見受けられました。
欧州の車はこの辺の樹脂部品が弱いですね。瞬間接着剤が以外とゴム素材に有効だった りするので、亀裂に流し込んでみましたが。相性が悪かったのか、亀裂はくっつく事無く、見た目汚くなってしまっただけでした。

たまたま国産車のルーフアンテナ、ネジ込みの径も一緒なものが家に転がっていたので それを流用してみました。状態は良好なのですが、968純正品よりも全長が若干長いのが、着けてみると間抜けな印象あります。                    
僅かな差ながら、その僅かな差が見た目に影響する時、ありますね。

text by 岩館耕一 | 2006.05.12 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年5月 5日 (金)

第5回:元凶はスピーカーか!?スピーカーでした...

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Vol05 ドアスピーカーのカバーを開けてみると、純正装着品と思しき独ブラウプンクト製フルレンジユニットはコーンのエッジが風化して破れ障子状態。ふっと息を吹きかけただけで破れの続きが更にほろほろと崩れます。新品から13年経つとスピーカーもこうなるんですねぇ。

先代の車では15mm厚のシナベニヤ3枚貼り合わせたものをドーナツ型に抜き出し、円錐台に整形して自家製のドア用バッフルを作成したので、大き過ぎなければどんなスピーカーでも納まったのですが。昨今ではそういう熱意が持続しません。取付けのネジ穴間寸法がお揃いの、純正トレード・インタイプのユニットで探す事にしました。現状ユニットの取付け穴間寸法を測ってみると実測でタテ124mmヨコ74mmほど。純正トレードイン式ユニットでこんな旧い欧州車用の規格の物、まだどこかのメーカーで出していてくれると好いのだけれど...。

折りに触れカーオーディオ専門店に立寄ったりネットで検索しているうちに頃合いの製品が見つかりました、JBLのモデル名p6452。JBLは我が家のホームオーディオでも、TV用のコンパクトスピーカー/CD聴く為のスタジオモニターモデル共に導入している、もっぱらひいきにしておる銘柄であります。先代車のユニットも同銘柄ながら同軸の2ウェイだったのに対し、今回のはユニット内で独立した2ウェイ。マウントの穴間寸法もばっちりです。秋葉原まで出向き、取寄せて貰いました。安くて助かりました。

愈々取付けです。ありゃ!? ドア内、スピーカーユニットの埋め込み穴の底に、窓ガラスのスライドレールが横切っていて、ウーファー裏のマグネットが干渉して沈み切らず、ユニットがマウント位置から数mm浮いてしまいました。確認すると純正品は総厚みが抑えられた造りになっています。アルミパイプでカラーを自作し、浮いた状態の位置でネジがきっちり締め込める様、対処。

トレードインタイプとは言え、汎用ユニット。埋め込み穴底に、イレギュラーにガイドレールが走る車種までに対応してくれてはいませんでした。ユニットのベース板と内装材との間に隙間が出来てしまったので、あり合せのゴム管を回してボロ隠しとしました。

968のドアスピーカーのカバーはドアを閉めると、その一部がダッシュボードに隠れる位置関係にあります。JBL p6452、トレードインを前提に設計されている為、カバーが無いと裸のウーファーが剥き出しです。乗り降りの際、爪先で蹴ってしまったら一発でおしまいです。先の事情から純正カバーを着けるとダッシュボード側面に当り、ドアが閉まらなくなるので装着できません。

余らせていたコンパクトスピーカーのパンチメタルネットを用い、厚いベニヤ板を丸くくり貫いた簡易プレス冶具をこしらえて、僅かに立上がりのある円形ウーファーネットを造り、ウーファーの前へ両面テープで貼り付けました。今回は手を掛けるのやめとこうと思っていたのに、結局またもあれこれ手をつけてしまいましたが...奥には納まらない、手前にも逃げられないという悪条件の中にあって、取り敢えず形になってくれて良かったです。

さて試聴です。今回試聴に供した音源はたまたまFMで流れていた、ルーマニアの不思議な音楽。なにぶん最小の部類になるユニットなのでスケール感あるサウンドは期待できませんが、この小ささでもJBLらしさを出しているのが、ああ、一生懸命鳴っているなぁ、と微笑ましさ感じられます。若干びびりが出ているのは貧相な自作アルミカラーの強度不足だと思われます。追い追い、ほどほどを心掛けつつ改善して行くと致し、今回は善しとしましょう。

text by 岩館耕一 | 2006.05.05 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月28日 (金)

第4回:オーディオ篇-Ⅰ

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

4figures 実は、しばらく保険の入れ替えが済まず、この段階ではまだ運転できませんでした。この間にスピーカーを除き、先代車とのオーディオも総入れ替えです。

968日本仕様の純正オーディオはソニー製のカセットデッキなのですが、盗難防止に駐車中は抜き取れる様、前面に折り畳み式の引き出し取手が付く、黒くシンプルで独メーカー監修らしい、バウハウスを思わせる意匠の物です。納車された個体には同じくソニー製ながら内装色からは浮いて見えるパールシルバーのMDデッキへと、大きなCDチェンジャーユニットと共に換装されてました。これらを先代車のものと、総取替えします。

先代車に入れていたヘッドユニットはナカミチの「ミュージックバンクMB100」、1DIN サイズの6枚CDチェンジャーユニットです。同社のミュージックバンクシリーズには松竹梅3グレードあり、エントリーグレードはオートバックス専売品、ミドルグレードのモデル「MB75」は永らく愛聴してたモデルでしたが、繊細なチェンジャーメカニズムが先代車の堅い脚回りにネを上げ3度壊れました。3度目に壊れた時、近所の中古パーツ店で見つけたのが同シリーズハイエンドモデルの「MB100」(写真a)。箱と説明書が欠品のせいか、破格の安さで入手できました。新品ではとても手が出ません。ここでもまたご縁がありました。

パワーアンプレス、通常はごく小さなものが内蔵されている、CDのデジタル信号をアナログの音声信号に変換する為のD/Aコンバーターが別体にしつらえられ、贅沢な構成です。現在では少数派になった、スクェアで堅実なパネルデザインも好感持てます。

パワーアンプは珍しい1DINサイズの「クリケットCR-2250」。小振りながら輪郭のしっかりした、セパレート・アンプならではの解像度は、一体機には無い魅力です。

968のコンソール、一見2DIN サイズのオーディオがインストール可能に見えますが、実際に下段へ納めようとすると、奥行きが足りないという予想外の事態発生。放熱を考えパンチングメタルを曲げて筐体を造り、アルミアングルの脚で合皮を張ったベニヤ板の台座に据えたホルダーを作成(写真c)、ラッゲージトレイの助手席後ろにセットしました(写真d)。

ここで時系列を乱しますが、後日968が稼動する様になり、日曜大工で用いる木材を買出しに行く様になった時の事。1820mm長のツーバイフォー材、助手席を一番前までスライドさせるとラッゲージスペース対角線に載せる事が出来るのですが(実用的な車!)、件のパワーアンプと積載物が干渉するハメに。

このアンプ、先代車ではセンターコンソールに補助メーターを並べた為、グローブボックスを潰して埋め込んでいました。968でも同型車の解体ミーティングへ誘って
貰った際、グローブボックスの蓋をスペアに頒けて貰っていたのを用い、1DIN の角穴を開けて埋め込む事に。(写真b)
どうもこのアンプは助手席前に埋め込まれる運命にある様であります。フロントパネル上で針の振れる、ピークメーターも乗車姿勢から見れる様になりました。
これで心置きなく材木運搬できます。ラッゲージおが屑だらけ。「コロコロカーペット」買いました。                           

ちなみにオーディオセット時に試聴したCDはチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」。その初演を聴きに行ったトルストイが、その旋律の、あまりの美しさに涙した、と言われる佳曲です。昨今、週末の昼下がりになると町内中、どこの家庭のリビングからも「トゥーランドット」の、聴き慣れたサビの所ばかり繰り返し流れてくる、陳腐な日常に風穴を開けたくなったら一度聴いてみてください。

ところで先の試聴では、「全方位死角無し」の筈だったオーディオセットから流れるチャイコフスキーが、何とびりびり言ってます。元凶はいまだ見落としていたスピーカーか!?

                  ~つづく~

text by 岩館耕一 | 2006.04.28 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | トラックバック (0)

2006年4月20日 (木)

第3回 納車篇 “968が来た!

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

納車予定日を過ぎても音沙汰ないので連絡入れてみる事に。
様子を伺うとリアパネルに接着された、一部欠損のあるエンブレムを交換する為はがそうとして、リアパネルを疵付けてしまったとの由。板金修理に出すので少し遅れるとの返答でした。新しいエンブレムを取寄せて貰ったら後は自分で交換するつもりでいたのですが。良かったんだか悪かったんだか。

結局、納車は契約から更に1週間ほどが経った頃。
お店側でチャーターしてくれた陸送業者のローダー(これもサービス!)に載まれてやって来ました。
968、小型車のボディと比べ若干幅が広い位で決してそんなにうすらデカい車体ではないのですが、ローダーに積まれた姿を間近で見上げるとこんなデカかったかなあ、と軽い驚きあり。

自宅前の路地は対面通行ができないので、路地を抜けた、対面通行ができる通りで業者さんにローダーから降ろして貰う事に。
路地を出た処には、大手メーカーの家族寮が通りに面して建っているのですが、そこの住人、幼稚園児とその母親3組ほどがたまたま敷地内で立ち話をしていました。ローダー作業、子供たちには初めて目の当たりにする光景だった様で、親たちにせがんで共にすぐそばまで近寄って見物。「はたらくじどうしゃ」の絵本とかでは目にしていたんでしょうね、そんな意味の事ささやき合っていました。                    夏休みだったら絵日記のネタになったのに、残念だったね。

降ろし終えると親子たちから拍手が起こり、ローダー業者さん照れくさかったみたいでした。ちなみにその中の誰も降ろされた車の方には興味無かった様です。

ローダーを見送って、路地を入った自宅駐車場まで初めて握る「新しい愛車」のステアリングであります。まずはお約束通りにエンスト。うち続きましてはウインカー出したつもりでワイパーが乾いた窓ガラス上を悲鳴上げながら往復。ドリフのコントです。出来過ぎです。

どうしても、うちの駐車場に入れられなかったおばさんが居た、おばさんドライバー殺しのS字バックの初入庫は問題無くおさまりました。それまでの車は今回の購入店への下取りには出さず、オーディオや社外品のシートなどを外して純正品に戻したのち、別の買取り店への売却を心積もっていました。
そんな訳でそれらを取外して遠方の買取り店まで自走、売却が済むまで任意保険を新旧両車に使える様、増車の手続きというのは出来るものか、保険代理店に問い合わせてみました。僕が無知だったのか、任意保険は一車一契約なものなのだそうで、一契約の保険で増車の手続きというのは無いんだそうですね。どうせひとりで2台一度には運転できないんだから気を利かせてくれればいいのに。とにかくひとつ勉強にはなりました。

前の車を手放して保険の車両入れ替えまでは運転できません968。試乗の時から燃料計の針が“E”の下に張り付いたままな上、春先にしては夏日を思わせる暑い日が続く頃でガソリン蒸発し尽したら困るなー、とか保険の入れ替えが済むまで小心者まる出しの心配してました。

                     ~つづく~

text by 岩館耕一 | 2006.04.20 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | トラックバック (0)

2006年4月14日 (金)

第2回:購入編(安価なポルシェには訳がある?-II)

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Column2 自宅から東京を対角線に横断し、都県境を越えて程無い幹線道路沿いにそのお店はありました。

その前にネット情報を頼りに訪ね、結果空振りだった、バブリィな構えのポルシェ専門店とは打って変わり、欧州車専門店ながら敷居の低そうな、フレンドリィな店構えに気安さが感じて取れ、まずは出だし好印象。小心者の庶民としては。
物腰の柔かい営業責任者さんが迎え出てくれました。前掲バブリィ店ではシルク地にプリントの薔薇シャツを羽織ったバブリィ君、いきなりタメぐちでしたからね「ヴッ...」と来ました、あのときは。

お目当ての個体に案内され、間を縫って進みながらそれら展示車両に気を留めると、生産国/メーカー/タイプてんでばらばらな品揃え。ワンメイクの専業店の持つ製品知識や整備のノウハウに期待持つのは難しそう、とまずはハラを括りました。自宅の近場で面倒を見てくれる店探さなくては。                    
事前に連絡入れといた事もあって、水洗いしておいてくれた様です968CS。大屋根の下の日陰に保管されていたので、今ひとつボディコンディション見極められませんでしたが、目立って残されたスリキズは見当たりません。あ、でもホィールは4本仲良くガリガリ。タイヤも山は残っているものの、亀裂がビキビキ...。

車検が切れているので仮ナンバーを取付け、さて営業氏がキーを捻るもエンジンは沈黙。「店員:バッテリーは上がってましたね。おーい。」整備の若い衆がジャンプ用のバッテリーを運んできてくれると始動自体は1発でした。嫌な振動もなく第一印象は悪くありません。あ、オルタネータベルト切れ掛かってますが...。
「店員:オルタベルトとバッテリーは納車整備で新品に交換させて貰いますよ」、「私:えっと、タイミングベルトなんかは?」「店員:まだ大丈夫だと思いますけどご希望であれば有償にて」...やはり、高くつきますからねあそこは。

「あれっ??」                                

洗車の拭き取りでウェスが引っかかったか、リアの“968CS”エンブレムの、“S”の字が半分に折れて破片がその下の地面に落ちてました...「私:まだ買うの決めた訳じゃありませんがこれ、拾って入れておいて貰えます?」「店員:ほんとだ。エンブレム新品取寄せて付替えますよ」気前いいぢゃん。
                                    
いよいよ試乗。左ハン、高速道路と施設の敷地内以外での運転は未体験なので運転はお任せして自分はあれこれチェックに回る事に。正しき購入前提の試乗の姿ではありませんね、これは。なにかと腰砕けな自分が素敵。

窓の上げ下げ、良し。ワイパー良し。エアコンも冷風出る、と...目視でチェックして。

ところで走り出してじきに気付いた、聴き慣れない音が後ろのドライブシャフトの辺りから。車速に連動する様に「びょ~ぅ、びょ~~ぅ」文字にするとまさしくこんな音。高層ビルの、吹抜けへと通じるドアを開けたとき耳にした事のある、あのおどろおどろし気なビル風にも似たうなり音がします。

「私:この音ってナンでしょうね」「店員:スポーツカーの駆動系ですからね、ゲトラグ製ミッションですからね、こんなもんでしょう」ギヤ歯ストレート・カットのレーシング・ミッションでも車載映像のビデオ観ててこんな音させてはいなかったと思うけどなぁ。

普通慎重な人は即決せず他にも何台もアシを使って第1候補の比較サンプル見て回るもの でありますが。在庫アリの報に触れた時点ですでに舞上がっていて、この慎重に欠ける人は「ご縁」の思い入れの呪縛に操られるまま、試乗より戻った店頭にて契約書にハンついてしまいました。

 ~つづく~

text by 岩館耕一 | 2006.04.14 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | トラックバック (0)

2006年4月 7日 (金)

第1回:購入編(安価なポルシェには訳がある?)

後輪駆動の2シーターに拘って... by 岩館耕一

Iwadate01 昨春思う処あって8年に亘り手を掛け、自分では大切に乗ってきた国産車を乗り換える事を思い立ちました。
「次号機」選択の条件は先々代機、先代機より引き続いての後輪駆動2座、「先代機」が非常に面白味のあるキャラクターだったので、それを手放す事が後悔にならないだけの「何か」を備え持っている事。なお且つ有り金はたいても財布の底に、のちのちの修理代金くらいは残ってくれそうなプライスタグ、もしやこれが最重要かも。        

選択の条件を煮詰めて行くうちに、過去乗り継いだ6台はすべて国産車、思い切りついでに7代目には欧州車てのも「アリ」じゃなかろか。2シーターの欧州車...をゐをゐ、大丈夫か。

幾車種か候補に挙がった中よりネットの中古車検索で発掘したのが’93年式ポルシェ968クラブスポーツです。13年落ちの、走行76000km。
ポルシェといえば一般的には空冷6気筒水平対向エンジンをリアに搭載したタイプ911の認知度が高かった同社にあって、そのロワーレンジを担うべく1976年に登場したのが水冷直列4気筒FRレイアウトのポルシェ924。

その後タイプ944を経、その最終進化形となったのが今回ご紹介する事と相成った968です。
924では2Lでスタートした排気量は944後期型より968最終型に至るモデルイヤーの間、3Lまでスープアップされました。

その968ノーマルモデルから快適装備を省く事によりダイエットしたのが軽量化モデル、クラブスポーツであります。
ノーマルモデルには存在する、後部座席を取り払った室内に2座、純正で据えられたノン・リクライニングのフルバケット・シート。なんちゃってクラブ・レーサーは弱いです、こういう見た目から入って行くスパルタンさに。

ネットの検索結果で1台だけヒットした、希望色の黒い個体はお値段も相場価格を下回るもの。素敵。

早速ネット出品の店に電話するも、「ああ、もうあれ無いです。」気落ちするも程無く、ほぼ同一のものと思しき個体が今度は都内某所の他店より出品されておるのを発見。
ところが問合せの返答は又しても1軒目の繰り返しでした。この時は電話もせず直接店へ出向いたのですが。何やってんだか。                          

掘出物が出てくるのを気長に待つか、買い替え計画ここに頓挫か、と消極的な心持ちで所在なく過ごしていた処に、またしても走行距離はじめその他のスペックから過去2件と同一としか解釈できない個体の情報が降臨。業者間をめぐっていた様です。
この個体、前世からご縁の無かったものとほぼ諦めムードで、しかしながら念の為電話してみると。

「ありますよ、在庫してます。」
                                     
悦ばしい誤算。実はこの子とはご縁があったのねー、そう感じましたな。       
取るものも取り敢えず首都圏近郊の、その在庫店へ、と舞い上がるおのれを戒めながら愛車のキーを掴むのでありました。
                          ~つづく~

text by 岩館耕一 | 2006.04.07 | [ 後輪駆動の2シーターに拘って... ] | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)




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